ハイペリオンゾウカブト(Megasoma hyperion) 1
図1 交尾
図2 ♂左斜め前方からの側面
図3 ♂背面
図4 個体に関するデータ
いわゆるギアスルンバッシャーです。
ヤフオクでペアを同一出品者(ととファーム様)から購入しました。親もまたヤフオクで購入されたとのことでした。
♂個体の頭角先端の開きが悪いですが、同一出品者(ととファーム様)の別個体♂2匹を確認したところ、頭角の開きはヤフオクに流通する一般的な同種の通りでした。♂個体の開きの悪さはアロメトリの範囲内と思われます。
ビークワ70号より後、2020年11月に、ゾウカブト特集の監修者とも親交のあるM. プランディ氏らが発表した論文によると、短角のミナスジェライス州産ギアスゾウカブトは、Megasoma hyperionに分類されていると思います(以下に論文のタイトルとリンクを貼付します。)。
♂個体の頭角先端の開きが悪いですが、同一出品者(ととファーム様)の別個体♂2匹を確認したところ、頭角の開きはヤフオクに流通する一般的な同種の通りでした。♂個体の開きの悪さはアロメトリの範囲内と思われます。
ビークワ70号より後、2020年11月に、ゾウカブト特集の監修者とも親交のあるM. プランディ氏らが発表した論文によると、短角のミナスジェライス州産ギアスゾウカブトは、Megasoma hyperionに分類されていると思います(以下に論文のタイトルとリンクを貼付します。)。
※ただ、私はド素人ですのでこれが原記載論文を満たしているのか判然としていません。
種小名も古典ラテン語読みだとHを発音すると思っていますが、もしかしたら無音かもしれず、その場合はアイペリオンかなあと思います。ヒぺリオン読みってどこから出てきたんでしょうか。
Revision of the Megasoma (Megasoma) gyas (Jablonsky in Herbst, 1785) species group (Coleoptera, Scarabaeidae, Dynastinae)
Massimo Prandi, Paschoal C. Grossi, Fernando Z. Vaz-De-Mello
M. プランディ氏らの当該の論文と日本国内の輸入歴を踏まえると
Revision of the Megasoma (Megasoma) gyas (Jablonsky in Herbst, 1785) species group (Coleoptera, Scarabaeidae, Dynastinae)
Massimo Prandi, Paschoal C. Grossi, Fernando Z. Vaz-De-Mello
M. プランディ氏らの当該の論文と日本国内の輸入歴を踏まえると
短角のギアス系ゾウカブトに関しては、
2008年および2014年に輸入された、ブラジル ミナスジェライス州のギアスギアスおよびギアスルンバッシャー(ルンブケリ)が、Megasoma hyperionと考えられます。
Megasoma gyasは、M. プランディ氏らの論文中の分布域の記述から、日本国内には生体で輸入されていないと考えられます。
長角のギアス系ゾウカブトに関しては、
2007年に輸入された、ブラジル バイーア州のギアスポリオンとして流通しているのが、Megasoma typhon typhonと考えられます。
2019年に輸入されたブラジル サンタ・カタリーナ州のギアスプランディとして流通しているのが、Megasoma typhon prandiiと考えられます。
個人的に、この論文によってギアスの分類問題は
かなり整然としたものになったと感じています。
ただ、ひとつ憂慮している点があり、2024年2月現在、ミナスジェライス州産ギアスギアスとして流通している個体は、頭角先端の幅が小さく頭角が細いものが多く、ギアスルンバッシャーとして流通してる個体らと比べて、明らかな差異がある印象を受けます。
ここで、Megasoma hyperionとMegasoma typhon typhonは、どちらもミナスジェライス州に分布しています(プランディ氏ら論文: 図30)。ミナスジェライス州以下のロカリティがないため分かりませんし、当時の分類がどのようであったか把握していないため断定はできませんが、ギアスギアスとして流通している個体群は、もしかしたらMegasoma typhon typhon、もしくはそれらが混ざっていたのではないかという点です。
もちろん累代飼育による偏りの可能性も十分にあります。特にギアスギアスはホワイトアイが出ている種であるため尚のことです。
以上、飼育個体の紹介でした。
コメント
コメントを投稿